足まめ


◆ なぜ、まめができるのか?


 

トレイルラン、ウルトラマラソン、ステージレースで足まめは悩みの種です。特にステージレースで7日間走る場合は足まめができると思われます。

長い距離を走ったり歩いたりすると足がむくむと言われますがこれは土踏まずが潰れてきて足が前後にも左右にも広がるためです。そうするとシューズがきつくなるので足指が他の足指やシューズの内側、さらに足裏がシューズのインソールに対して擦れやすくなります。この摩擦による低温やけど状態が足まめの水疱です。

 


◆ 対策


まず土踏まずが潰れてもいいように土踏まずを支える形のインソールを使用するのが最善策です。そのために自分の足裏にあったインソールを作るのがお勧めです。なお、以下の対策は股ズレにも同様に有効です。

1.乾燥
これに尽きるのですが、靴を履く場合は2以降の組み合わせで乾燥させます。

2.靴下
素材は化繊100%かウール混紡のものに限ります。綿が混じったものはNGです。
5本指ソックスは指間のマメに有効ですが側面や足底には特に効果はありません。

肌面に疎水性の素材を用いたものが有効です。(ドライマックスなど)

3.塗布剤
安価で調達簡便なのはワセリンです。
走る前にたっぷり塗り込みます。

もし走った後にマメができてしまったらワセリンの上からは絆創膏類が貼れませんからいったん拭って下さい。処置をしてから他のところに塗ります。

 

私はシアバターを使いました。
シアバターはアフリカ大陸のサバンナ地帯にのみ自生するシアバターの木の種子の仁から採る食物油脂です。シアバターは強い日差しや乾燥から守り傷や火傷を癒す万能薬として古くから生活のあらゆる場面で重宝されてきました。

シアバターの主成分はステアリン酸とオレイン酸です。ステアリン酸は人の皮脂にも含まれる成分なので肌になじみやすく優れた保湿性を長時間発揮します。オレイン酸は酸化しにくいのが特性で紫外線B波を吸収する作用があり日焼け止めにも使用される成分です。
常温では固形の状態ですが30℃が融点なので体温で温めれば溶けます。

 

睡眠前とラン前に塗り込みます。
肌を強くし白くふやけることが殆どありません。

ラン前(靴下をはく前)はボルダースポーツという皮膚に薄い膜を作って摩擦を軽減する効果のあるものを使用しました。

ボルダースポーツ
皮膚の一番表面の角質層に浸透して皮膚を守るバリアのような新しい保護層を作ります。
一度すり込めば水に濡れても効果は4時間(開発者談)は効果が持続します。
よくすり込むことが効果を出す秘訣です。素肌感覚で皮膚呼吸、発汗作用を妨げずに使用できます。


4.休憩、就寝時

裸足になり清潔にし乾燥させてからオイル類をマッサージしながら塗り込みます。
オイル類は3の塗布剤でOKです。浮腫まないようにエレベーションも行う必要がある。

5.洗濯

水があれば靴下類を洗います。

同じ濡れでも汚れているとそれだけ乾燥が遅れますしばい菌で化膿することもあります。

いずれにしてもワセリン(=最も刺激が少なく安定的なオイル)はロングトレイルには不可欠ですのでホワイトテープ一巻きと共に必ず持参されることをオススメします。