ゴールデンエイジ(5~12歳)までと言われている運動シナプスと違って身体意識や筋肉の発達は年齢と関係ありません。
今からでも誰でもインナーマッスルを使えるようになります。ただ、インナーマッスルは鍛えれば使えるようになるわけではありません。使えるようになるには身体の使い方を変えなければいけません。
まず意識的に身体の使い方を変えて次第に無意識にできるようになる必要があります。無意識にできるようになるには1年はかかるでしょう。
しかもインナーマッスルは目に見えないので成果も見えにくいです。途中で投げ出さないように気長に取り組みましょう。
きちんと身体を使えているかは自分ではわかりません。特に最初は正解がわからないのでなんとなくできていると思い込みがちです。この思い込みが一番怖いです。
今までとは違うけど間違った動きを身体が記憶してしまったら本末転倒です。インナーマッスルを使えている人にチェックしてもらったり、自分の動きを動画や写真に撮ってもらって自分の動きを客観的に見て少しずつ正しい動きに近づけていくことが大事です。
まずは普段の歩き方を”正しい歩き方”へ変えましょう!
歩くことは二足歩行の人間にとって最も基本的で大事な動作です。
正しく歩けない限りどんなスポーツをしても100%のパフォーマンスを発揮できません。
基本が身についてない状態で応用を身につけようとしても砂上の楼閣です。
普段はごまかせても本当に大事ないざという場面でこの基本が身についているかが致命的な差になって現れます。
一流の選手は”基本ができている”なんてレベルではありません。
数え切れないほどの反復練習を経て、恐ろしい濃さで”基本が染み付いている”ものです。
ここでいう”正しい歩き方”とはもも裏のハムストリングスをフルに使って歩くことです。
では、どうやったら正しく歩けるのでしょうか?
まず下の絵を見て一番大きな違いを考えてみてください。
一番の違いは”軸足の膝”です。
正しく歩くコツは体軸を立てお尻の下半分からもも裏がすっと前に押される感じで歩くことです。
後ろ足に体重がかかる時間を少し長くすると結果的に軸足の膝が伸びるはずです。
ももの裏あたりを触ってから歩くと意識しやすいです。
坂道を登ってみるともも裏を使っていることが実感できるはずです。
足が勝手に前に運ばれるような感覚があればきちんと歩けてます。
ハムストリングの拮抗筋が大腰筋だからです。逆に働く筋肉が拮抗筋です。
筋肉は引き伸ばされながら収縮する時に最大の力を発揮します。それを伸張性収縮と言います。
ハムストリングが収縮することによって推進力が生まれます。
その時、拮抗筋の大腰筋は引き伸ばされた大腰筋が収縮する力で大腿骨が勢い良く前に振り出されます。そしてこの運動が左右交互に起こります。
走る時ももも裏がスッと押されるように意識して走るとフォームもキレイになるし労せずに思わぬ推進力が手に入ります。
このハムストリングを使って歩く感覚を大事にしましょう。
そして無意識に使えるようになりましょう。
もう一点大事なポイントは足だけで歩こうとしないことです。
歩くとき手のひらを地面の方を向けて腕を振ってみましょう。上腕が内旋すると同時に肩甲骨が外側に開きます。子どもや4本足の動物も手のひらを下に向けて走ります。
なぜか?
それが自然だからです。
肩甲骨が動いて背中から腰の筋肉までつられて一緒に動く。肩甲骨を動かせると肩関節と腕がのびのびと使えて背中や上腕の裏に自然に筋肉がついて肩幅も広くなります。全身を大きく使えるので動きがダイナミックになります。身体の使い方で体型も違ってきます。
バランスボールに座ると自然と姿勢が良くなります。さらにバランスボールに座って手足を離してバランスをとって座り続けると、自分の重心を感じることができます。
自分の身体の中心に球があるイメージでこの球と地球の中心が合わさると安定して座ってられる気がします。この中心に球がある感覚を普段から持って意識して動くと綺麗に動けている気がします。
あなたは今まで歩き方を教わったことありますか?
少なくとも私はないです。
でも正しく歩けるようになるとかなりメリットがあります。軸がある人は動きが美しいです。動きが美しいと人にいい印象を与えます。
さらに、あらゆるスポーツでパフォーマンスの質が上がると思います。必要なところには筋肉がつき、余計な筋肉がつかないので体型が最適化されます。最小限の力で大きなパフォーマンスを発揮できて省エネで長時間動き続けられる。怪我もしにくくなる。
歩き方のように誰からも教わらなくてもできることこそ奥が深く基本が大事です。この基本を教えられる人が増えればどんな分野でもレベルの底上げがされるのではないかと思うんです。
私はどんな分野でも基本が大事だと思います。基本はできるだけで満足するのではなく何度も何度も反復して染み込ませましょう。