「よく切れるナイフ」がシンプルで美しい機能美を備えているように無駄を削ぎ落した最適な動きは美しいものです。
正しいフォームは美しいフォームとも言えます。
美しいフォームのための4つのステップ
● 上半身の力も利用する(肩甲骨から腕を動かす)
● 体の前傾をキープする
● 骨盤を前傾させてお尻のパワーを使う
● 上半身と下半身を連携させる
以降で、それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
なぜ、走るとき腕を振るのでしょうか?
それは、骨盤と連動して上半身の力を利用するためです。
肩甲骨と骨盤の動きは連動しているので肩甲骨から腕を引くと反対の骨盤から足が前にでます。
腕はひじを軽く曲げ、後ろへ引くように振ります。
前に振ると猫背になりやすくなります。
最近はデスワーク中心で猫背が癖になっている人も多いと思います。
猫背だと肩甲骨を動かせなくなります。
腕を振っても肩甲骨が動かないと腰の骨盤も動かないので腕を振る意味がありません。
猫背が癖になっている人は腕を引くときに肩甲骨を寄せることを意識してみましょう。
肩甲骨も動いているか背中に手を当てて誰かにチャックしてもらうといいです。
肩甲骨が柔らかくなると胸郭が背中側にも膨らみ空気をいっぱい吸い込めるようになり呼吸も深くなります。
前傾姿勢を体に覚え込ませましょう。
体の前ではなく、体の真下で着地します。
足で着地衝撃を吸収するのではなく腹筋で着地衝撃を吸収するようなイメージです。
ランニングでは地面からの反発力を推進力に変えます。
この反発力を生かすには体に軸を作ることが必要です。
右図のように壁から少し離れて立ち頭から踵までを一本の棒のように保ったまま壁に倒れかかり両手で支えます。
お腹に力を入れて、腰が折れたり、反ったりしないように気をつけましょう。
反り腰、猫背だと背骨のS字湾曲のバネの力を利用出来ません。
S字湾曲のバネの力を利用出来ないと腰と膝の負担が大きくなり痛めてしまいます。
お腹に力を入れて前傾姿勢が保てないと腰が落ちてしまうので膝の屈伸で走る悪いフォームになってしまいます。
走りながら自分の足先が見えていると、姿勢が悪くなっている証拠です。
腰が硬いと肩甲骨を動かしても骨盤が反応しません。
骨盤が動かないと大きな推進力となるお尻の筋肉のパワーが使えなくなってしまいます。
足が疲れやすい、膝が痛いというあなたは足だけで走っている可能性が高いです。
腕の振りを意識してみましょう。
肩甲骨を中心とする上半身と骨盤を中心とする下半身の動きを連動させることで腕の振りと足の動きで生み出されるパワーを最大限に生かしましょう。
● 頭の位置にも注意しましょう!
走りはじめたときは正しい姿勢ができていても疲れてくると姿勢が崩れてしまうこともあります。
顎が上がれば反射で背中が反ってしまいます。
顎が下がれば猫背になります。
姿勢を保つためにも目線は身長の1.5倍先を見るようにしましょう。
遠くを見すぎると対象物が遠すぎてスピード感がなくなり精神的にキツくなります。
● リラックスする(力を抜く)
肩に力が入ると上半身が固まってしまいます。
こうなると下半身からの力が上半身へと伝達されにくくなって反発力を生かせません。
走っているときに肩が上がっているようなら力が入っている証拠です。
走っているときに「何か力が入っているな」と感じたらわざと肩を上げてストンと落とすような動作をしてみましょう。
筋肉に一度力を入れることで弛緩した状態を感じやすくなります。
正しい姿勢で立つことを覚えて軸を作り肩甲骨を寄せる腕ふりを覚えてリラックスした状態を保つようにしましょう。