ボルダリング・クライミング

 

最初に言っておきますが私は下手です。

 

私が何回も何回も挑戦してやっとクリアした課題を初めてジムに来たような人が一発でクリアしてしまいます。

そんな姿を見ているとあぁ〜やっぱり自分って下手だなぁって思います。

 

20代後半まで姿勢なんて全く気にしてなかったし、体も硬いし、クライミング以前にリハビリが必要なことが山ほどあるところからのスタート。でも、その分だけ延び代がたくさんある。姿勢や柔軟性を直せばさらに登れるようになると前向きに考えてやってます。

 

たとえ下手でももっと上手くなりたい。

だって楽しいから。

続けていれば本当に少しずつだけど上手くなれるから。

 


運動の中でも最強


まず、”からだ”によい運動とはどのような運動でどのような効果があるのかを説明します。

 

● ただ動くだけ

 

軽く動くだけでもよい気分の向上が2時間は続きます。1回40分週に3回散歩するだけでもリンパが流れて老廃物が排出され、ストレスやうつの軽減になり、脳の海馬が大きくなり神経発生が促されます。あらゆる病気の一因となっている炎症も軽減します。

 

● ヨガ

 

機能的な動き方や交互交差の動きは脳への血流を良くしてシナプスの繋がりも増加させます。左脳と右脳の協働も促進されます。

 

● レジスタンストレーニング(ウエイトトレーニング、自重トレーニング)

 

神経駆動(脳から筋肉へ電気信号を送る能力)が強く速くなるので正確に身体をコントロールできるようになります。

 

● エンデュランストレーニング(有酸素運動)

 

体内にエンドルフィン(鎮痛、多幸感をもたらす脳内神経伝達物質)を放出させるベストな方法の一つ。

やりすぎるとコルチゾールが発生するので注意が必要です。

 

● 高強度インターバルトレーニング

30秒を全力で走って90秒休む。これを15分間繰り返します。

全力という点がポイント。運動強度が高まれば高まるほど成長ホルモンの放出も強まります。高強度の運動を最低でも10分行うと成長ホルモンの上昇はレジスタンスおよびエンデュランスの10倍になります。

 

これらを総合して高強度であり、機能的な動きであり、ウエイトトレーニングでもあり交互交差の動きもあるクライミング、ボルダリングが最強なのではないかと私は思ってます。

 

ただし、”適度な”という言葉がポイントです。クライミングは怪我も多い運動なのでグレードを突き詰めすぎると逆効果です。この点はマラソンでも自転車でもなんでも当てはなりますので本当に注意してください。

 


野生動物的感覚を取り戻せる


私たちのDNAは今でも250万年前の狩猟採集をしていたころのままだと思ってます。なので、木に登ったり動物を追いかけたりするのに適した”からだ”の構造と機能になってます。

 

現代のデスクワークのような作業に合うように”からだ”は作られてません。狩猟から農耕そしてデスクワークへ移行したことで椎間板ヘルニアや関節炎といった多くの疾患がもたらされました。

 

さらに、この平和な世の中で命の危険を感じる機会はほとんどないと思います。しかし、室内ジムや屋外でボルダリングなら怪我で済む可能性が高いですが、屋外の自然の岩壁でロープを使ったマルチピッチクライミングとなると致命的な失敗をすれば死んでしまいます。そして普段の生活では考えられないぐらいの高度感とスリルを味わえます。

 

死を意識できるからこそ本気でトレーニングもするし、考えられるあらゆるリスクを排除し、安全管理も徹底する。

 

リスクや安全管理に関する情報は巷にあふれていますが、情報は知っているだけでは意味がありません。実践して自分で使ってみて初めて意味を持つと私は思います。しかも、ただ使うだけでなく本気で追い込まれた状況で必死に使えば効果は何倍にもなります。

 


きれいに登るためのコツ


クライミングは私の感覚では週1回で現状維持。

向上を目指すなら週3回は必要です。

 

脱初級の壁

グレード

ボルダリング6級

5.9

 

二点支持(足を切る)

基本は右手でホールドを掴みにいくときは右足をフットホールドにしっかり乗せる。右足がしっかり乗ってれば左足を切っても大丈夫なはず。左手を使うときは左足を!

ホールドは掴むのではなく引っ掛けるようなイメージ!

 

グレード

ボルダリング5級~4級

5.10A

保持力。

これは身に付くのに時間がかかる。

 

フットホールドに対してどのように体重を掛けるかを身体で覚えましょう。

足の指を曲げて特に親指に力を入れる。

足の指でホールドを掴むイメージ。

 

上半身は胸から動きはじめる。胸から動きはじめると脇が締まり上半身が安定する。

腕は伸ばせばいいというわけではない。

 

ボルダリング3級

5.11

 

正確な置場や角度

同時に動作させる。

 

これは言葉で言われて分かることでもできることでもありません。

何度も何度も反復して身体に染みこませるしかありません。

 

これらを身につけるのは手に力が入らなくなってからが勝負です。

力が残っているとパワーでなんとなくできた気になってしまいますが、力が入らなくなっても課題をクリアできなければ本当の意味でクリアしたと言えないと私は思います。

力ではなく身体の向きや手足の置き場や足でバランスをとって登ることが大事です。

 

自分が登っている感覚と実際に自分に力がかかっている認識が一致してはじめて上達します。

こういう登りの蓄積こそが上達です。

たくさん登ってもただやみくもに登っているだけでは上達しません。

 


ビレイ


安全菅は右側

狭いほうが自分側でロープの方が広い

この写真の向きだとルベルソからロープを外す時も簡単です。

 

絶対にロープを手から離す瞬間を作ってはいけません。

人の命を預かっているという意識でやらなければいけません。

 

あまりロープを張りすぎると登っている人が登っている感覚ではなく引っ張り上げられていると思ってしまいます。

ただ余裕を持たせすぎると落ちた時に落下する距離が長くなるので危険です。

 

このバランスが難しいですが登っている人とロープの弛みをよ〜く観察して登っている人が安全で気持ち良く登れるようにビレーしてあげましょう。

 

ロワーダウンするときは両手で慎重にロープを流していきます。

 


支点の作り方


ボルトに管付きカラビナをかける

カラビナは回転できる場合は上からかける。
カラビナをかけるときは左右で管付きの向きを交互にする
3つあればカラビナは3つ使う。こっちの方が安全。
スリングで流動分散を作る
角度は60度以内にする。
左右両方に荷重を分散するために。
ボルトが古いなど不安がある場合は固定分散にする。固定分散だと片方が外れても落下距離を短くできる。

 


マルチピッチクライミング


丁寧とスピードを両立する。

自分の決まり事を作る!

 

まずセルフをとる

支点を作る位置とセルフをとる位置との関係に気を付ける。

位置関係を気を付けないとビレイがやりにくい。

やりにくいと思ったらすぐにやり直した方がいい。やりにくいまま続けるのは体への負担も大きいし時間もかかるしストレスになり精神的にもよくない。余計な疲労や焦りを生むようなリスクを避けて常に冷静な判断ができるように心掛ける。

支点の方がセルフより高い位置にする。

セルフをとったらビレイ解除とコール
ボルトに管付きカラビナをかける
カラビナは回転できる場合は上からかける。
回転できない場合(ヌンチャク)は下からかける。
カラビナをかけるときは左右で管付きの向きを交互にする
3つあればカラビナは3つ使う。こっちの方が安全。
スリングで流動分散を作る
角度は60度以内にする。
左右両方に荷重を分散するために。
ボルトが古いなど不安がある場合は固定分散にする。固定分散だと片方が外れても落下距離を短くできる。
アルパインは時間が重要なので素早くロープを引き上げる
セルフを中心にロープを素早く分配する
セカンドがロープいっぱいとコールする
スリングで作った支点にルベルソのリングが上になるようにカラビナをつける。
ルベルソにロープを取り付けビレイの準備をする。ロープをセットするときクライマー側のロープの向きに注意。
ビレイの準備ができたらコールする。
セカンドが登る
ビレイする。ビレイしているときも引き上げたロープは左右にきれいに分配する。
セカンドがセルフをとる
自分のロープを外して懸垂の準備でリングボルトにロープを通す。
ロープを通す方向に注意。間違うとロープの摩擦でまとめづらくなる。まとめる人がリングボルトの右側にいるときは左から右に通す。
セカンドがロープを外したら合わせて末端処理。
ロープをまとめて下に落とす。
懸垂下降のときルベルソの丸い穴を上にする。ロープから絶対に手を離さないこと。手を離したらブレーキが効かずに落ちる。

懸垂下降


最初に降りる人はバックアップでマッシャーを作る。

 

ロープが落とせない場合はロープを持ちながら降りていく。


リードクライミング


1.リードのビレー
- 登る前のチェック
- ビレーヤーも自分が登っている感覚で
- ビレーヤーの立ち位置

第一クリップをつけるまではビレイできない。
- 慌てない(自分の技術に自信を持つ)
- クリッピング時のロープの流し方
- クリップ完了の確認
- クリップ後のロープの弛み取り
- 次のクリップポイントまででやること
- 第3クリップまではテンション掛け気味に
- 第3クリップまでは上下ビレー

2.リードクライム
- 登る前のチェック
- コール(登りはじめ)
- コール(クリップ時)=なれてくれば不要
- コール(レスト時、落ちそうなとき)
- コール(終了点)
- クリップ(クリップの体勢)
- クリップ(ロープのたぐり)
- クリップ(フォアハンドクリップ)
- クリップ(バッグハンドクリップ)
- レスト(体勢)
- レスト(シェイク=腕筋肉の復活)
- 禁止事項(たぐり落ち)
- 禁止事項(Zクリップ)
- 禁止事項(逆クリップ)

3.フォール(敢えて日本語とすると墜落)
- グランドフォール
- フォールする状況
- ケガをしない注意点
- 落下距離
- クリップが難しいときの選択肢
          たぐり落ち
          そのままその時点から落下
          クリップポイントまで下がる
-  落下中にやってはいけないこと
-  落下時の姿勢

 


仮固定と自己脱出


懸垂下降中にロープにトラブルがあった場合に仮固定して両手を離しても落ちないようにします。

左手でルベルソとロープを押さえる。

きちんと押さえないとずり落ちます。


ハーネスのビレイループにカラビナ(菅つきじゃなくてもいい)をつける。
カラビナにロープを通す。ミュールノットで結ぶ
カラビナにロープを通したらロープとロープの間に通してゆるみをとるために絞る
念のため通したロープで縛る。

 

登り返し

二ヶ所

足用

メインロープにマッシャーを作ってセルフビレイ用のかける。

次に足用にマッシャーを作りカラビナをかける。足用のスリングは太い方がいい。踏ん張れるぐらいの長さに調整する。

 

自己脱出

リードでトップが落ちて

 

まずは仮固定を行い両手を使えるようにする。

次にクライマーのロープにマッシャーを作って


ロープの付け替え


1.リードで終了点に着いたら、セルフを取り、ビレイヤーに伝える。
2.ロープを引き上げてアンカーに付いているリングボルトに2重にした状態で通す。通したロープでエイトノットを作り、カラビナに繋げて自分のハーネスのビレイループに掛ける。
3.エイトノットを解除
4.ビレイヤーにロープを張ってもらう。
5.セルフを解除してロワーダウンで下降する


ダブルロープ


なぜダブルロープ?どういうときに使用する?

スピード

 

トップで登る人はロープが交差しないようにルートの先を読みながらどちらのロープをヌンチャクに掛けていくか判断して登る。理想はロープを交互に掛けていく。

 

ロープを連結するときはオーバーハンドノットをダブルで行う。

 

ビレイは2本を同時に扱わないといけないので練習が必要。特にトップで二人同時にセカンドを引き上げるときのビレイが難しい。


アフターケア


クライミングなどでどこかを痛めた場合はまず冷やす。

ただずっと冷やすと治りが悪くなるので7、8分を目安にする。

2、3日もすると痛みがなくなるので次は温める。

こうすると治りが早いです。