登山における地図読みの本質は、"平面に表現された起伏を頭の中で立体に組み直す"ことです。
その鍵を握るのは等高線です。
等高線は同じ高さを結んだ線です。
等高線は丸く閉じたり密に並んだりその間隔を広げたりしながら地球の凹凸を客観的に投影しています。
地図読みは等高線から地形を立体的に思い描くことです。
地形図は等高線しか描かれていないので平面から立体を思い描きやすいです。
最近はデジタル地図が浸透してきましたが、紙の地形図がもつ等高線の美しさもまた
ピークとは周囲よりも高くなった地点です。
等高線が丸く閉じていれば、そこはピークです。
ピークは尾根の発生点であり、沢が詰め上げる場所でもあります。
そして、ピークからのびる尾根やそこへ食い込む沢が山の個性を際立たせてゆきます。
ピークは地図を読む上でなによりの起点になります。
山の中では登りが下りに転じるポイントになるため、地形的な変化がわかりやすいです。
またピークは周囲より高いため目視による判別が容易です。
地図を読むときはまずピークを探しましょう。
ピークを離れると必ず下りになります。
そうして「下りが終わって登りに転じる点」がコルです。
コルはピークとピークの間の尾根上にある一番ひくいところです。
地図上に現れるコルは、2つのピーク間の等高線が向き合ったところです。
これは重要なポイントです。
尾根とは「ピークから発して沢に没する、周囲よりも高くなった一続きのライン」のことです。
山容を決定づけるピークから麓へと延びるヒダともいえます。
そんな尾根はピーク以上に一つ一つの個性が際立っています。
そのため地図を読む上で重要な役割を果たしています。
尾根は地図上でどんな特徴を持つかというと「ピークを起点に等高線が周囲より外側に出っ張った部分をつないだライン」。
つまり、地図上で尾根を見つけるにはまずはピークに着目し、そこから等高線が外側に膨らんでいく筋道をたどればいいのです。
尾根と尾根に挟まれて低くなった所が沢です。
尾根と沢は表裏一体です。
尾根はピークから発生し標高を下げるのに従って無数に枝分かれしながら沢に没するのに対して、沢は標高を上げるに従って細かく分岐していき、ピークもしくはコルに詰め上げる。
このように尾根と沢はつねに対照的な関係にあります。
地図上で表現される等高線においても沢と尾根は対照的です。
尾根を表す等高線がピークから外に向かって張り出すのに対し、沢はピーク側に向けて食い込んでいます。
尾根は等高線に対しての出っ張りが丸みを帯び、沢は鋭角に食い込んでいく傾向があります。
そのため基準となるピークを見誤ると尾根と沢を混同してしまいます。